どうもカブズキです。今回は、証券アナリスト試験第Ⅱ科目の国民経済計算のパートを学習していきたいと思います。国民経済計算(GDP)の考え方や三面等価の原則について解説していきます。理解ができない点がありましたら、コメント欄にてどしどし質問してくださいね!
目次
- GDPと付加価値について
- GDPと最終生産物について
- GDPと要素所得について
- 三面等価の原則について
- GDPに関する注意点
- 本日の自己説明
GDPと付加価値について
GDP (Gross Domestic Product) とは、国内総生産を意味し、一定期間に国内で生み出された【付加価値】の合計です。生産要素として「労働」「資本」「土地」を想定した場合、これら3つの生産要素を用いて原材料を加工して生産物を産出するとき、生産要素が加工した大きさが【付加価値】となります。
例)日本では1年間に100万円のバイクを10台だけ生産しており、そのバイクの生産には300万円の金属板が必要であるとする。加えて、この金属板の生産のために、200万円の銅が必要だとする。この時、日本のGDPは下記の通りである。
金属板を製造する「製造業」は銅を200万円分輸入して、国内で300万円分の「金属板」を生産することにより、100万円分の付加価値を生み出す。
また「バイク製造業」は300万円分の金属板を用いて、国内で1,000万円分のバイクを製造することにより、700万円分の付加価値を生み出す。
よって日本における1年間のGDPは製造業が産出した付加価値100万円とバイク製造業が産出した付加価値700万円を合計した800万円となる。
GDPと最終生産物について
生産物のうち、中間投入物(原材料)として、他の生産物に用いられないものを【最終生産物】と言います。(前述の例では、バイクが最終生産物にあたります。)
GDPは国内における、最終生産物の生産額の合計から輸入総額を差し引いたものに等しくなります。
(前述の例では、1,000万円分のバイクー200万円分の銅=800万円=GDPと同等)
GDPと要素所得について
【付加価値】は、付加価値を産出するために利用した生産要素の提供者(労働者・企業)に、賃金や利益など「要素所得」として全て分配されます。要するに、ある1年間のGDPとその期間の要素所得は全く同じになります。
(前述の例では、付加価値の合計800万円<GDP>が生産要素の提供者に対して賃金・企業利益などの要素所得として全て分配されます。)
GDP=要素所得
三面等価の原則について
GDPを「生産面」・「分配面」・「支出面」の3つの面で捉えた時、それら全てが一致(同等)になることを三面等価の原則と言います。つまりGDP=GDI=GDEが成り立ちます。
「生産面」からみたGDP=>国内の付加価値の合計
「分配面」からみたGDP=>国内の要素所得の合計
「支出面」からみたGDP=>国内総支出(GDE)
※GDE=最終生産物の生産額の合計から、輸入総額を控除した上「意図しない在庫投資」で調整したもの。
GDPに関する注意点
GDPはフロー統計
GDPは1年等の一定期間で産出された付加価値の合計であるフロー統計です。そのため、GDPには株式や土地・美術品などのストック資産は含みません。
帰属計算
実際は市場で取引がされていないものを、まるで市場において取引がされているかのように考え、GDPに含めることを帰属計算と言います。帰属計算が適応される主な事象は下記の2つです。
- 農家の自家栽培
農家が自家栽培した作物を家庭内で消費する場合、農家が産出した作物を「市場で売買された」と考えGDPに算入します。
- 帰属家賃
借家の場合は家賃がGDPにそのまま算入されますが、持ち家の場合も「あたかも家賃を支払っている」としGDPに家賃相当額(帰属家賃)を算入します。
家事労働
家事労働が産み出す付加価値は、GDPには算入しません。(生産要素としては、家事代行サービスと同じですが、あくまで各家庭内の家事によって産出された付加価値はGDPには含まないということです。)
いかがでしたか?この記事では、証券アナリスト試験「マクロ経済〜国民経済計算〜」について学習しました。国民経済計算のパートでは、GDPについてしっかりと理解しておく必要があります。
下記の用語に対して自己説明を用いて定期的な復習を行い、GDPの概要・帰属計算などの注意点を正確に理解しておきましょう!
本日の自己説明
- GDPとは?
- 最終生産物とは?
- 要素所得?
- 三面等価の原則とは?
- GDPに関する注意点は?
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